こんな人におすすめの記事です。
- AIツールを使って文献検索をもっと効率的に行いたい
- 今も文献検索にAIツールを使ってるけど、良い使い方を知りたい
こんなお悩みを解決します。
AI時代の文献検索、1年前のそれとはまるで変わりました。
AI時代の文献検索
1年前、文献検索といえばこんな方法で進んでいましたよね。
- Meshタームやら先行研究を調べて検索式を作る(1時間経過)
- 検索式に従って文献レジストリーで検索する(10分くらい?)
- ヒットした論文を閲覧するためひたすらスクロール(3時間経過)
- 文献を読み込む(無限)
- 疲れる
私は筆頭著者としてSystematic review論文を数本書いた経験がありますが、「もっともやりたくない研究」ナンバーワンです笑。
さて、そんな文献検索ですが、AIの発展によって激敵にラクになったことをみなさんはご存知でしょうか?
正直、文献検索にAIを使っていない方はあまりにも損をしていると言っても過言ではないほど…
今日は、私がAIツールを徹底して使い込んだ中で生み出した「これがAI文献検索のベストな手段だ」という方法を、3つのAIツールに分けて解説します。この3つ、どれも無料で使うことができ、おまけにシンプルな利用なら登録不要です。
長くなってしまうので、記事を分けて1つずつ紹介していきますね。
まず最初に紹介するのは、AI文献検索の3種の神器の一つ、爆速のAI文献レビューツールであるConsensus様です(大好きなのです)!
Consensus:AIで重要文献を検索&まとめて要約
Consensusで何ができるの?
最初に登場するのはAI文献レビューツールのConsensus。
私が触れてきたAIの中でもっとも感動したツールになります。
何ができるかというと
- 質問したいリサーチクエスチョンを入力する(Yes/Noで答えられる形で)
- そのリサーチクエスチョンに答えてくれる”質の高い”文献がリストで表示される
- それらの文献の内容を要約し、1センテンスで「つまりどうなの?」を教えてくれる
- ヒットした文献のうち何%がYes/Noかをメーターで一目瞭然にしてくれる
なんとこの間、たった5秒程度です。
これ、従来の文献検索だったら数日はかかる作業ですよ?
ただ文献を検索するだけじゃなくって、質の高い文献をセレクトし、結果を要約までしてくれるってやばすぎませんか?
Consensus曰く、2億以上の文献ソースからリサーチクエスチョンに関連する文献を拾ってきているそうです。
実際に見てみましょう。
こちらは「病院におけるオペ件数の多さと術後合併症の発症率は関連してますか?」というリサーチクエスチョンを投げて、5秒で返ってきたアウトプットです。
上から順に
- リサーチクエスチョン
- 複数の文献の結果の要約(天才!)
- 検索された文献のYes/Noの割合
- 文献リスト
です。
見えます、文献レビューに苦しめられてきた皆さんが感動して咽び泣く姿が…
Consensusのおすすめの使い方
Yes/Noで答えられる質問を投げる
Consensusは、「研究者だけでなく、誰もが科学の知見を活用できるように」という理念で開発されました。
なので、「これってどうなの?」なリサーチクエスチョンに答えるように設計されており、質問はYes/Noで答えられる形でする必要があります(後述する、Copilotを活用する場合は別)。
ちなみにこちらのページでは、Consensusによって”おすすめの質問スタイル”が紹介されているので、ご参考ください。
https://consensus.app/home/blog/maximize-your-consensus-experience-with-these-best-practices/
文献のクオリティで選別する
Consensusがすごいのは「質の文献」だけを拾ってくるような独自のアルゴリズムを敷いているところ。
そして、「なぜ質が高いと判断したか」という根拠を拾ってきた各文献にタグ付けしてくれます。
たとえばこちらの文献、”Systematic Review”、”Highly Cited”とタグ付けされていますね。
そして、拾ってくる文献に条件をつけてフィルタリングすることができます。
年
研究デザイン
さらに研究デザイン
掲載ジャーナルのレート
分野
天才かよ(Consensus大好きなので、あと10回は言います)…
文献ごとの詳細情報を確認する
もちろん、各文献の詳細情報も確認できます。
アブストはもちろんのこと、引用回数や、Key Takeawayや、あと有料版だとStudy Snapshotという概要を作ってくれるみたい(アブストじゃだめなんか?)。
無料で使う
さて、これまで伝えたConsensusの機能ですが、なんと無料で使えます(Snapshot以外は)!
すげぇ…すげぇよConsensus…
そんなこと言って、回数制限とかあるんでしょぉ?
ない、全て無料だ
なん…だと…
ただし、無料版だとGPT-4を使える回数が月20回に限られるらしく、それ以降はスペックが落ちるGPT-3になるようです。
ただ、私は無料版で数ヶ月使っていますが、まったくストレスは感じません。
なので、よほどこだわりがない限りは無料版で良いかと思います。
レビューの結果を共有する
Consensusですが、なんとレビュー結果の画面をそのままリンクで誰にでも共有できます。
例えばXで専門家と一般の方がやり取りする際に
脱水って認知機能の低下に関連してるんすか?
なんて具合に。
ちなみに、上のリンクは実際のものなので、ぜひ踏んでみてください。
ConsensusでCopilotを活用する
さて、きたる2024年2月7日、Consensus様にCopilotが搭載され、その機能は革命的進化を迎えました。
これまでは「Yes/Noで答えられる質問に、文献をレビューしてサマリーを返す」というシンプルな機能だったのですが(全然シンプルじゃねぇよ、超すごいよ)、Copilotが搭載されたことで活用の幅が無限大に広がっています。
これまでリサーチクエスチョンを入力していたところに、ChatGPTに伝える感じで「〜してくれや」と伝えると、それに応じた回答を引用文献を入れてしっかりと返してくれるんですね。
まぁ見てみましょう。
以下の例では「病院のオペ件数は、その病院における術後死亡率と関連しているか?」というリサーチクエスチョンに対してCopilotを活用した場合の返答です。
Copilotの返答だけを写していますが、もちろん従来表示されていたものもきちんと表示されます。
①普通に質問しただけ
まず、普通に質問しただけでも回答の質が爆上がりしてます。
②このリサーチクエスチョンでレビュー論文書く際のイントロ書いて
③このリサーチクエスチョンから、新しいリサーチクエスチョン提案して
④先行研究の限界をまとめて
はいすごい、見ただけでヤバさがわかります。
無料でも月20回までは使えるらしいので、今すぐ使いましょう、そして私と一緒に咽び泣きましょう。
終わりに
やばいでしょ、Consensus…
私から言えることはただ一つ
「使えばわかるから今すぐ使ってくれ」
さぁゆこう、Consensusがある世界へ。
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