【超実践的】研究職の企業就活を勝ち抜く4つのコツ

こんにちは、すきとほるです。

 

まもなく夏休み、大学院生のなかには将来の企業就職を見据えて、インターンに参加する方もいらっしゃるでしょう。

特に2年間しかない修士の場合は、あっという間ですが就職活動を始める時期がやってきましたね。

 

さて、今日の記事では「企業での研究職採用を目指す方」に向けて、ライバルに差をつけて一歩先へ進むための実践的なコツをご紹介したいと思います。

企業研究ガー、OG・OB訪問ガー、学チカガー、なんていう耳にタコができるほど聞いたようなことは一切申しません。

 

今すぐ実践に向けて動き出せ、かつインパクトの大きなコツだけをご紹介します。

 

 

 

・研究職として企業就職を成功させるための超実践的なコツ
  

  

 

本ブログは、私が業務上知り得たいかなる情報にも基づかず、一般論もしくは広く公開された情報のみに基づき執筆されています
本ブログは、私個人の責任で執筆され、所属する組織の見解を代表する物ではありません

 

 

 

①面接までに筆頭著者として英語論文を出版しておく

研究職として企業就職をする際、最も重視される点は何か。

 

それはもちろん、「研究者としての能力」です。

 

では、そんな「研究者としての能力」をどう就職面接というたった数十分から数時間の限られた時間で伝えれば良いでしょうか?

 

最も説得力のある方法、それは査読付きJournalに出版された筆頭の英語論文を提出することですね。

 

論文は、研究者としての努力の結晶であり、一つのプロジェクトの最終成果物です。

  

たとえば、あなたは企業の採用担当であり、研究職採用を進めているとしましょう。

そんな時、あなたの目の前に2人の候補者がいました。

 

 

研究テーマは薬の安全性で、修士論文では医療大規模データを使って、薬剤Aと薬剤Bで有害事象のリスクを比較して、〜で、〜で、〜で(10分経過)。出版に向けて頑張っています。

 

研究テーマは薬の安全性です。既に筆頭著者として英語論文が出版されており、御社へは選考のご参考にと思い事前に提出させて頂いております。

 

 

さて、この2人のうちいずれかにより良い印象を受けますか?

私であれば、後者です。

 

まず長々と話を聞かずとも、出版された論文を見れば、その方の研究能力、研究テーマを速やかに理解することができます。

英語力も同様に。

また、「研究は論文投稿から始まる」と言われるように(私が勝手に言っている)、論文投稿から出版までにはレビュワーとの長いながい闘いがあり、そこを乗り越えて始めて論文はJournalに掲載されます。ですので、査読付きJournalに論文が掲載されているということは、研究者としての基礎的な能力を身につけているということの保証に繋がります。

 

 

院生として行った研究内容を口頭で伝えるのももちろん大切であり、仮に論文を出版していたとしても面接では必須の行為になるでしょう。

しかし、論文の出版なしに研究内容を面接で伝えたとしても、それはやはり「論文の出版という業績に至るまでのプロセスの一部に過ぎない」という印象をもたれてしまいます。

 

一方、論文そのものは紛れもない「研究者としての業績」になりますので、採用側の印象はやはり変わってくるでしょう。

 

私自身も、修士卒後に就職した企業の面接では、出版された論文を1本、投稿中の論文を4本提示しました。

経験者採用のみのポジションでしたが、未経験で採用頂いた理由の一つには、論文という何よりも説得力のある形で研究者としての姿勢を示すことができたからだと考えています。

 

 

  

では、就職までに査読付き英語論文をJournalに出版するためにはどうしたら良いか。

 

博士の場合はそう難しくないでしょう。

修士修了時点で書き上げている論文が1本以上あるはずですから、それをJournalに掲載しさえすればOKです。

 

 

修士の場合はかなり厳しい戦いになります。

新卒の場合は就職面接の開始が1年目の夏頃ですから、修士での研究はまだ始まってすらいないという場合がほとんどだと思います。

 

ですので、勝負できるとしたら学部の卒論ですね。

卒後に企業に研究職就職することを前提に修士に進学するのであれば、なんとか修士1年目の夏〜秋ごろまでに学部の卒論を英語論文にし、Journalに掲載することを目指した方が良いと思います。

卒論は1月ごろには書き上がっているはずですから、2月にJournal投稿すれば、修士1年目の10月ごろまでにJournal掲載を目指しても、決して不可能なスケジュールではないと思います(一箇所目でリジェクトされたら、かなり厳しい戦いになりますが)。

 

もしくは、新卒採用ではなく中途採用扱いで企業就職にチャレンジするというルートもあるかと思います(後述します)。

この場合、就職面接は修士卒業の1~3ヶ月前まで引っ張ることができますので、論文のJournal掲載のために使える時間がかなり延長されます。

 

 

 

これから言うことは邪道と思われるかもしれませんが、私個人としては修士・博士を「よい企業に就職するための踏み台の一つ」として捉えることも全く問題ないと思っています。

もちろん、やるべき研究をしっかりと行っている限りにおいては、ですが。

 

 であれば、修士・博士の進学先を決定する際にも、「就職面接までに英語論文を出版することができるような研究室か」という視点も組み入れて研究室を選んでいくことも許されると考えています。

 

進学希望の研究室をアセスメントする際に、

・在学生は1本目の論文をどんなペースで出版しているか

・在学生は卒業までに何本くらいの論文を書いているか(未出版含み)

・そもそも英語論文を書いているか

・在学生は学会発表をどれくらい行っているか

 

など、”在学生の業績”という観点から研究室をアセスメントしてみると良いでしょう。

 

 

 

 

②在学しながらTA、特任研究員として仕事をしよう

研究職として企業就職をする際、論文業績の他にもう一つチェックされる点があります。

 

それは、

前職で類似業務の経験があるかどうか。

 

 

採用側からしたら、そりゃ類似業務の経験があった方が良いのは当然です。

育成コストは下がりますし、社会人マナーも身に付いており、かつ業界ネットワークも持っているかもしれない。

 

 

研究職は専門家の世界ですから、就活においては殆どの場合において未経験者よりも経験者の方が有利に立ち回れると思っていた方が良いでしょう(あえて他社に染まっていない新卒が欲しい場合など例外はありますが)。

 

 

では、まったく未経験の新卒修士・博士の学生はどうしたら良いのか?

 

学生をやりながら研究職としての社会人経験を積む方法、それがTAや特任研究員といった学内の制度です。

TAや特任研究員の業務がどんなものであるかは大学や、雇用主である教授によっても大きく変わるので要チェックですが、研究職採用を成功させるという目的であれば、狙っている職種の業務内容により近いものを選ぶべきですね。

 

 

理想的な業務内容は、

・研究室が企業から依頼された研究をリード、マネジメントする

・複数の学生の指導を行う

 

など、実際に企業に就職した際に行うことを求められているような業務になるでしょう。

 

 

ただし、こうしたTAや特任研究員としての経験が就職活動において”業務経験”として見做されるかどうかは企業、部署ごとに差があるので注意が必要です。

とは言え、ゼロよりは少しでも類似の業務経験があった方が良いに決まっていますので、積極的に研究室の業務に携わり、TAや特任研究員のポジションをもらえるように教授に交渉した方が良いと思います。

 

 

 

 

③新卒枠でいくか、転職枠でいくか

意外と盲点かもしれませんが、修士・博士卒の場合は新卒枠でいくのか、転職枠で行くのか選択できる場合があります。

 

 

新卒枠と転職枠の違い

二つの違いはこんな感じ。

 

新卒枠転職枠
時期通常の就活と同じ卒業1〜6ヶ月前
申し込み方法通常の就活と同じヘッドハンター経由
プロセス通常の就活と同じ同じ専門性を持つ社員からの面接
応募先会社全体特定の部署

 

 

新卒枠の場合は通常の採用プロセスと同じですから、ここでは多くは語りません。

 

 

一方転職枠はちょっと特殊です。

まず、就職活動の開始時期が全く異なっており、転職の場合は「採用が決定してから、遅くとも3ヶ月以内の入職が必要」とされることが殆どです。

逆に言えば、卒業1~6ヶ月前まで入職を遅らせることができるので、その間に業績を増やすという作戦が可能になります。

 

 

また、申し込み方法は

  1. 自分で企業の中途採用HPから申し込む
  2. ヘッドハンター経由で申し込む

 

という2択になります。

 

私は双方のプロセスを経験したことがありますが、個人的には”ヘッドハンター経由”をお勧めします。

Linkedinあたりにプロフィールを書き込んでおけば、何人かのヘッドハンターからそのうち連絡が来ると思うので、一番信頼できそうな人とお付き合いすると良いです。

 

ヘッドハンター経由をお勧めする理由は、彼らが就職活動支援のプロであり情報を大量に有していること、CV執筆や面接の対策をしてくれること、給与などの採用条件の交渉をしてくれることなどが挙げられます。

ヘッドハンターへの費用は採用時に企業側が払うもので、就職活動を行っている側にかかることはありませんので、ご安心ください。

 

 

他に転職枠が新卒枠と違う点としては、応募時点で職種、部署が決まっているということが挙げられます。

新卒枠の場合は企業自体に一括で応募して、採用後研修を受けて様々な部署に割り振られるというプロセスがメジャーですが、転職枠では職種・部署レベルでの募集になりますので、採用された場合は確実にいきたい部署にいくことができます。

 

また、そのため面接担当者も転職枠は応募先の職種・部署の社員複数名になる場合が殆どです。

ですので、より専門性に特化した面接を行うことになるわけですね。

 

 

加えて、転職枠では給与に交渉の余地があります。

転職枠の公募時点では、募集するポジションは決まっているが(Manager/Directorなど)給与にはレンジを持たせているという場合が殆どです(1,000~1,500万など)。

 

これは、応募者の前職給与、ポテンシャルなどを加味して提示する給与を決めるからですね。

逆にいうと、応募者側にも希望給を提示する余地があるわけです。

 

ただ、転職枠の給与は基本的には前職の給与をベースにして決定されますので、前職経験がない場合は応募者が強気に交渉するというのはかなり厳しいです(よほど企業側がその人材を欲しい場合を除いて)。

 

 

 

転職枠で応募する方法

さて、読者の皆さんの中には「え、社会人経験がなくても転職枠で応募できるの?」と思った方もいらっしゃるかもしれません。

 

ぶっちゃけてしまうと、「企業が”欲しい”と思う人材であれば、新卒枠だろうが転職枠だろうが採る」というのが答えになると思います。

 

 

もちろん、学部から大学院にストレートでいき、そのあいだTAや特任研究員も含めて一切の社会人経験がない場合には、「え、あたな転職者じゃないよね?」ということになると思います。

 

しかしながら、それなりの業務を行なっていたのであれば「TAや特任研究員として給与を頂戴していたので、転職枠で応募しました」と言い張ることもできるかもしれません。

企業側が「欲しい」と思う人材であることが前提になりますが、そこら辺のスクリーニングはヘッドハンターがしてくれますので、「私ってこれくらいの業務経験しかないんですけど、転職枠でいけますかね?」と相談してみましょう。

 

 

 

新卒枠と転職枠のどちらが良いのか

先に挙げたメリットから、私としてはいけるなら転職枠で応募した方が良いと思います。 

 

ただ注意しないといけないのが、転職枠の場合は以下のようなデメリットがあります。

  • 競合候補が経験者のみになる
  • 即戦力になることが前提になるため、より厳しく専門性を問われる

 

 

自分の実力や、競合候補の層の厚さなどを鑑みて、「あたい転職枠でもいけるんちゃうの?」と思えば、転職枠でチャレンジしても良いでしょう。

 

 

 

 

④他人を尊重したコミュニケーションを取る

「そんなんあたりまえやん?」という声が聞こえてきそうですが、あえて強調します。

 

ここでいう”他人”とは、自分の専門性とは全く別の世界に生きている人々、つまり研究室や学会の仲間以外の方々のことを指します。

 

たとえば、

「あなたって大学で何してるの?」と聞かれた際に、相手がすんなりと納得できる表現・時間で語る。

 

たとえば、

あなたの専門分野のことを相手が間違って理解していたとしても、「それは間違ってる!その根拠は?意味が分からない」などと配慮に欠いた形で否定をしない。

 

たとえば、

相手に不快感を与えないように清潔感のある身だしなみを維持する。

 

 

「いや、だからあたりまえやん?」という声が聞こえてきますね。

 

 

しかしながら、研究者の中には学部から修士、博士と同じ専門性、同じ志をもつ仲間の中だけで長い時間を過ごし、そうした専門家コミュニティからは距離を置いる方も稀にですが存在します。

すると、企業人としては当たり前とされる行動規範とは異なる行動規範の中で生きてきた方もいらっしゃるわけで。

 

やや誇張した姿ですが、小説やアニメの研究者というと、自分の興味のみを追求し、世間からは距離をとり、率直な物言いばかりをするキャラクターとして描かれることが少なくありません。

 

 

しかしながら、同じ研究者だとしても企業でそのような暴虐武人な立ち振る舞いをすると、一発アウトです。

即座に上司に報告がいき厳重注意、改善が見られない場合には何らかの処分が下されるかもしれません。

 

 

研究者と言えど、企業に入ってしまえば一サラリーマンです。

あなたが所属する部門は、企業の中に横一列に数多と存在する部署の一つに過ぎず、そしてそれぞれの部署はそれぞれの理屈で活動しています。

 そして、あなたが所属する部門にも何重にも縦の上司・部下のレポートラインが張り巡らされ、あなたはそのラインの一部に過ぎません。

 

このように、企業では大学よりもずっと広い範囲で横と縦の繋がりが張り巡らされているのです。

この繋がりの中で、大きく異なる専門性、大きく異なる価値観をもつ仲間と、高いレベルでチームワークを実現してくれるか、そんなスキルが求められます。

 

 

 

 

終わりに

さて、いかがでしたでしょうか?

 

社会人としてのファーストキャリアは、次のキャリアへ繋げるための第一歩。

就職した会社の色がつき、そしてそこで経験した業務やもらっていた給与によって、次にどんな一歩を踏み出せるかが大きく変わります。

 

であれば、極力後悔のない就職活動にしたいですよね。

 

今回は、私が知る限りにおいて実践的なコツだけを紹介するようにしました。

就職活動、頑張ってくださいね。

   

   

  

     

私は外資系企業と国立大学の研究者として活動しておりますが、それ以前はブラック企業に勤める社畜として上司に怒鳴られる日々を送っていました。

    

「強く生きるには専門性だ」

    

そう一念発起し、大学院の修士課程に通い、そこから2年間で企業研究職してのキャリアにルートインし、2年で年収を1,400万アップさせることができました。

    

こちらのnoteでは、「専門性が欲しい」と願う方々に向けて、「専門性ゼロから初めて、どのように起業研究職になり、さらに最短最速で出世するか」というノウハウを解説します。

私自身が未経験から2年間で外資系企業の疫学専門家に、さらにそこから1年でグローバルチームの管理職になるまでに積み重ねた経験、ノウハウの全てをお伝えするつもりで書き綴っています。

    

「これを読めば、企業の専門家として活躍するために必要な知識は全て揃う」

    

その気合いで、私のノウハウを全てお伝えします。

    

 

 

 

 

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