こんな人におすすめの記事です。
- 研究者としてもう少し経済的安定がほしい
- 研究者の専門性を活かした副業に興味がある
こんなお悩みを解決します。
研究者の専門性を活かした副業で、1年で国立大の学費20年分を稼いだ私がお伝えするぞ
私は次世代の研究者の生き方として専門性を活かした副業を提唱しています。
「副業をしている」と言うと、「本業に集中してない」と眉唾にみられた時代はすでに終わり、特に産業界では副業をするのがあたりまえの時代が到来しています。
大きなムーブメントが起きたのは厚労省による平成30年のモデル就業規則の改訂。
それまでの規則には「許可なく他の会社等の業務に従事しないこと」と規定されていたものが削除され、新たに副業・兼業の規定が新設されたのです。
さらに厚労省は副業・兼業に関するガイドラインを発表し、その中で「幅広く副業・兼業を行える環境を整備することが重要である」と明言しています。
このように、副業はすでに行政レベルで推進されているのです。
研究者の世界では、「副業 = いかがわしい、金稼ぎのため」という印象を持つ方も少なからずいらっしゃる気がしますが、こうした行政・産業界の動きを見ると、そうした考えはアップデートされねばならないことは明らかでしょう。
そもそも、副業はただ「お金が欲しいから」行うだけのものではありません。
同じく厚労省の副業・兼業ガイドラインでは副業のメリットが次のように紹介されています。
- 労働者が社内では得られない知識・スキルを獲得することができる
- 労働者の自律性・自主性を促すことができる
- 優秀な人材の獲得・流出の防止ができ、競争力が向上する
- 労働者が社外から新たな知識・情報や人脈を入れることで、事業機会の拡大につながる
どれも非常に納得のゆくものです。
私は研究者が副業をすることで、大きく分けて3つのメリットがあると思っており、それぞれ研究者本人、専門分野全体、そして社会全体に還元できると考えているので、一つずつお伝えしますね。
研究者こそ副業をすべき理由:研究者は最強の副業人材である
副業は、誰でもできるわけではありません。
なぜなら副業とは組織の肩を借りない属人的な行いであり、自分自身が市場価値を発揮できなければそこに経済的対価がもたらされることはないからです。
副業をはじめる人のほとんどは最初の一歩でつまずきます。なぜなら「自分がどんな価値を提供できるかわからない」から。つまり、自分という人材が発揮できる副業のエッジがどこにあるかを見出せず、「あれでもない、これでもない」と試行錯誤するわけです。
しかしながら、研究者という人材は研究者であるという時点で既にこの副業のエッジを手にしています。
家族や知人に「何してるかわかんない」と言われながらも、何年も、何十年もたった一つの分野を掘り下げてきた、そんな圧倒的な専門性があるわけです。
副業物語というRPGにおいて自分だけいきなりレベル50から始めてるようなもんだよ
研究者に比べたらそこらへんのサラリーマンなんて大体がジェネラリストです。そんな彼らでも副業で成功して月何百万も稼ぐ人もいるわけですから、彼らより圧倒的に強度の高い副業のエッジを持つ研究者に副業ができないわけありません。
「私の専門なんてニッチすぎて誰も興味持たないよ」と思うかもしれませんが、安心してください、ニッチであることは副業においてかえって強みになります。
YouTubeやブログ、書籍では極めてニッチな専門性であっても、魅せ方を工夫することで何万、何十万という人々の心を動かしているコンテンツがあるでしょう?
それに、メジャーな専門性なら副業で成功するというわけではありません。
メジャーであればあるほど競合も多く、その専門性の希少価値が失われるからです。
ニッチであればあるほど、それは「あなたにしか提供できない価値」になり、一度ヒットしたら顧客は少なくとも深い需要を生むとともに、競合の参入を妨げる高い壁となります。
大切なのは「ニッチだから」といって諦めるのではなく、市場に徹底して耳を傾けることで課題を発見し、そのニッチな専門性を課題解決のためのサービスに昇華し、顧客に届けることです(マーケティング)。
ただ専門性をたれ流すのではなく、顧客の課題を解決できるサービスに昇華させねばなりません(マーケティング用語で言うところのプロダクトマーケットフィットを作り出す)。
研究者こそ副業をすべき理由:社会への貢献
私はよくXで研究者の副業を推奨するポストをするのですが、しばしば「研究者なら論文を書け」、「ペテンだ」とネガティブな反応を頂戴します。
おそらく、そうした反応をされる方は「研究者の肩書きでブランディングし、研究もしてないのにトンデモ科学を推進して金稼ぎをする人」を思い浮かべて過剰な忌避感を持っているのではないでしょうか。
確かに、研究者を名乗る方の中にはそういった残念な”専門性”の使い方をする方もいらっしゃるのは事実ですが、もちろんそれは副業のほんの僅かな外れ値に過ぎません。
私は研究者にとっての副業を「本業以外でも専門性を活かして、人々の役に立つことで正当な経済的対価を得る営み」と捉えています。
例えば、既に研究者があたりまえのように行なっている大学外での講義や書籍の出版だって「本業以外での専門性を活かした活動」という意味では副業に違いありません。
私自身が医学という実学を専門にしているからかもしれませんが、私は論文を書くだけが研究者の仕事ではない、と考えています。
論文で得た成果を社会実装したり、専門性を武器に社会啓発を行うこともまた、研究者として立派な仕事の一部であるはずです。
もちろん、研究が研究者の本分なことは間違いないけれど
副業というカタチで研究者が専門性を発揮して、社会の人々の課題を解決できるのならば、それはむしろ研究者の使命のど真ん中にあると言えるのではないでしょうか?
何の専門性もない人が専門家を装い、困ってる人々の課題を解決した”フリ”をするのはただのペテンです。しかし、研究者には長年の修練によって磨き上げられた確固たる専門性があります。
困ってる人々を助けられるだけの専門性がありながら、それを眠らせておくなんてなんて勿体ないんだと私は思ってしまうのです。それを副業というカタチでより広く社会に対して開放することで、さらなる社会貢献に繋がると信じています。
研究者こそ副業をすべき理由:専門分野の価値向上
あなたが専門性を活かした副業を行い、社会課題を解決するとともにマネタイズに成功すれば、それだけその専門分野全体の価値が社会的に向上することになります。
研究者はお金にがめつくない心の清らかな方が多いので、企業や個人から仕事の依頼を受けた際も言い値で受けるということも珍しくありません。
その結果、「不当に低い報酬であるにもかかわらず、文句ひとつ言わずに受ける」という事態も発生しています。
これにより、「この分野の専門家への報酬はこの程度でも許される」と相場が低く設定される方向にインセンティブが働き、大きな視点ではその専門分野全体の価値が低下するということが起きていると考えています。
これに対し、研究者が専門性を活かした副業を行い、社会においてその専門性への需要を生み、正当な報酬の相場を徐々にあげていければ、その専門分野全体の価値を向上させることにつながると私は考えています。
研究者こそ副業をすべき理由:経済的安定を実現して研究にいっそう前のめりになれる
最後がいちばんシンプルですが、副業によって研究者は本業プラスαの収入を手にすることができるようになります。
そして収入が増えれば、時間が買えます。
生活のために受けていた労働単価の低い仕事を断る、家事を外注する、タクシーを使う、書籍は図書館ではなくKindleで買う、よりスペックの高いガジェットを購入するなど。
研究関連の本は経費で落とせるから、一切躊躇なくAmazonでポチれるようになったよ
そして、買った分の時間でさらに研究に集中することができます。
もちろん、経済的余裕が生まれれば家族にしてあげられることだって増えます。
近年、研究者のアカデミア離れが進んでいますが、その最たる理由が「経済的に不安定だから」というものでしょう。
非正規の講師バイトをかけもちして何とか年収300万、運よく大学教員になれても特任なら2年後のポジションはどうなるかわからない、特任でなくとも東京で家族全員を支えるにはあまりにも少ない年収。
この不安定さに耐えきれず、「もうアカデミアは無理だ」と離れてゆくのです。
しかし、専門性を活かした副業で収入を得られるのならば話は変わります。
月+10万の収入でも生活はかなり楽になるでしょうし(しかも経費も使えます)、それこそ副業収入が1000万円もあれば「まぁ本業でポジション取れなくても副業で生きてけるから」と堂々と構えることができるかもしれません。
「研究者の処遇を改善してくれ!」と国に嘆いたところで現実は(すぐには)変わりません。それならば、専門性を武器に手にした副業収入で生活を安定させ、それで研究に集中する環境を自ら作って仕しまえば良いのです。
ですから研究者が副業という新しい生き方をがんがん実現していくことで、研究者のアカデミア離れを食い止め、よりいっそう研究に集中する環境が構築できると思っています。
終わりに
いかがでしたでしょうか?
「研究者こそ副業をすべき4つの理由」を説明してきました。
おそらく読者の方の中には「研究者が副業に向いてるのはわかったけど、何から始めたらいいんだよ!」と悩まれている方もいらっしゃると思います。
今後、このブログではより具体的に研究者の副業をサポートする情報を発信していきますので、お時間が許すならばぜひご覧ください。
すきとほるからのお願い
本ブログは、読者の方が自由に記事の金額を決められるPay What You Want方式を採用しています。
学生さんや経済的に厳しい方からはお金を取りたくなく、それが経済格差に起因する学力格差へと繋がると考えるからです。
仕事の合間に記事を書く時間を見つけるのはちょっぴり大変ですが、今後も皆様の「研究生活をほんのり豊かに」できる記事をお届けし続けたいと思っております。
なのでお金に余裕があり、そして「勉強になった!」、「次も読みたい!」と本ブログに価値を感じてくださった場合は、以下のボタンをクリックし、ご自身が感じた価値に見合うだけの寄付を頂戴できますと幸いです。
励みになるので、ご寄付はとてもありがたいです!
引き続き情報発信していく活力になりますので、ぜひお気持ちに反しない範囲でご寄付をお願い致します!