【実体験】企業研究職のとある1日を紹介

こんにちは、すきとほるです。

 

「製薬企業の研究職ってどんな生活なの?」という方に向けて、わたしのとある1日を紹介したいと思います。

 

「朝はスタバで」なんて気取らずに、赤裸々にリアルを紹介するよ!

     

 

本ブログは、私が業務上知り得たいかなる情報にも基づかず、一般論もしくは広く公開された情報のみに基づき執筆されています

本ブログは、私個人の責任で執筆され、所属する組織の見解を代表する物ではありません

  

  

  

  

論文を読む:7時〜8時

   

  

大学受験をしていた時、「起床30秒以内に数学の問題を1問解きはじめる」というルールを課していました。

「朝の脳みそはクリエイティブな作業に向いている、だから数学をやれ」みたいな受験テクに従ったんですね。

  

今はその時ほどストイックに勉強をしているわけではありませんが、確かに朝のうちにクリエイティブな作業に携わっておくと、研究者としての頭のギアが入るような気がしています。

  

  

ですので起床後はそのままデスクに向かい、積読しておいた論文を消化するようにしています。

 

基本はリモートなので、通勤はあんまりしないよ!

   

  

普段からTwitterやネットサーフィンで見つけた気になる論文はPaperpileにポイポイ放り込んでおくので、起床後はPaperpileを開いて、「これ面白そう」と感じた論文を開きます。

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忙しいとついつい論文を読まなくなってしまいますが、研究職としては「論文を読まなくなった=成長が止まった」と考えています。

疫学の世界でも新規手法は次から次に出てきますからね。。。

  

ですので、もう強制的に朝イチで論文を読む時間をぶち込んでしまおうという魂胆です。

  

ちなみに私は朝ごはんはがっつり摂らないので、ココア1杯かオリーブオイルを塗ったパン数切れを論文を読みながら摂取しています。

  

  

  

  

メール対応&Global会議:8時〜10時

  

私はGlobalに所属していますので、同じ部署の同僚はアメリカかヨーロッパにいます。

  

あちらは日本が仕事を終える頃に仕事始めですので、私が寝て起きるとたっぷりメールが届いているという状況です。

だいたい20件くらいでしょうか。

  

とはいえ多くのメールは部門全体に送られるようなもので、私に個別に送られてくるのは5件程度です。

ですので、これらのメールにポチポチ返事をしていくことになります。

  

疫学専門家同士のやりとりになるので、メールは研究に関するものがほとんどです。

  

お互いのプロジェクトに関する相談であったり、研究計画書や提供するトレーニング資料の相互レビューなどですね。

なのでメールだけをみて「シュバババッ」と返事するわけにはいかず、論文や公的資料などのエビデンスを確認した上で、丁寧にお返事していきます

  

ヘビーな時には、1件あたり30分以上かかることもあります。

  

  

  

メール対応に次いでこの時間に入ってくるのがGlobal会議、特にアメリカとの会議ですね。

日本とアメリカの時差を考えると、それぞれの時間がオーバーラップするのは日本時間で言うと7-9時か21-23時くらいです(正確にはオーバーラップしておらず、いずれか片方が夕方〜夜遅くにパソコンに搭乗することになります)。

  

なので、貴重なこのオーバーラップ時間にGlobal会議が入るのがデフォルトです。

私から会議のInvitation出す時は、申し訳ないからこちらの夜(あっちは朝)に設定するよ!

  

毎日あるわけではなく、だいたい週のうち2〜3日ですね。

  

  

  

  

研究計画や論文の執筆:10時〜11時30分

  

さて、メール対応や会議が終われば、いよいよ研究職としての本業です。

  

研究プロジェクトは常に数本が並行して走っていますので、優先順位をつけてその日に取り組む研究を決めます。

  

この時間は集中が必要なので、基本的には業務カレンダーを「Project time」にして他の会議が入らないようにしています。

 またTeamsの表示も「取り込み中」、もしくは「対応不可」にしてリソースの100%を研究業務に充てられるようにします。

  

クリエイティブな思考が必要になるから、ぶつ切りになるとパフォーマンスが激減しちゃうよ

  

  

  

  

日本チームとの会議:11時30分〜12時

私はGlobal所属といえど、基本は日本のプロジェクトにリソースを割いているので、日本側のプロジェクトメンバーとの会議もあります。  

だいたい1日に3~4本、時間でいうと1.5時間〜2時間くらいですね。

  

ですので、まずこれらの会議がカレンダー上で設定され、その空き時間に先ほどお伝えした研究業務のためのフォーカスタイムを入れ込んでいくというのがデフォルトです。

  

  

製薬企業において疫学やリアルワールドデータ、医療大規模データの専門家は全社レベルでも1~3人くらいしか存在しませんので、ありがたいことに日々色々なプロジェクトの方からご相談の連絡を頂戴します。

  

ただ、そうしたお願い全てに応えていると集中すべきプロジェクトのクオリティまでも担保できなくなってしまうので、私は基本は会議は1回30分でお願いするようにしています。

  

限られた時間、メールで疫学専門家としてしっかり貢献できるよう、一回一回のやりとりのインパクトをより大きくできるよう邁進しております。

  

  

  

  

お昼ご飯:12時〜13時

  

「限られた時間で成果を出してこそプロ」というスタイルを貫きたいので、休憩時間は断固として1時間死守します。

かっこ良く言ってみましたが、本音は「その時間は給料もらえないのに勿体ないやん」です

  

  

12時になるとともに気分転換がてら外出し、コンビニ飯を買って家に買えるか、そこら辺のファミレスかラーメン屋に入るかです。

料理している姿をトップ画にしましたが、決してランチ自炊はしません

    

昼食後はだいたい20分くらいの時間が余りますので、歯磨き後はベットでYouTubeを観ています。

  

  

上記はリモートワークの場合で、出社の時はなるべく他部署の方とランチにいくようにしています。

 

日本で疫学の仕事を広げると言うのも、Global所属で日本に配属されている私の使命だと思っていますので、積極的に他部署のニーズを聞き取り、コラボレーションのチャンスを生み出すよう努めています。

 

 

  

  

日本チームとの会議:13時〜14時30分

  

ランチが終わると再び午後の会議がちらほらと。

  

夕方はお子さんのお迎えなどで忙しいプロジェクトメンバーもちらほらいるので、午後の会議は基本的には早い時間に設定されることが多い印象です。

  

自分がメインではない会議の際には、この時間に午前中に届いたメールの返信を書くこともしばしばです。

  

  

  

  

会議やトレーニングの資料作成:14時30分〜15時30分

さて、会議が終わると(もしくは会議の間に)再び個人作業です。

  

自分がメインになる会議では資料作成が必要になりますし、また疫学専門家として他部署のトレーニングを依頼されることも多くありますので、その資料作成です。

  

こちらも同じくフォーカスタイムですが、研究計画の作成や論文執筆ほどの全集中は必要ではありませんので、作業中もチャットが入れば積極的にやり取りします。

  

  

資料作成ですが、「そんなに時間を割かないこと」を自分ルールにしています。

  

作り込もうと思えばどこまでも作りこめてしまうのが会議やトレーニングの資料ですが、大切なのは会議・トレーニングの場でのコミュニケーションであって、資料はその一手段でしかありません。

  

ですので私は資料には要点だけをささっと書くようにして、あとは会議・トレーニング中のトークで説明するというスタイルを好んでいます。

  

でも部門全体での四半期ごとのプロジェクトレビューとか、そういう重要会議はめっちゃ作り込みます

  

  

  

  

研究計画や論文の執筆:15時30分〜16時45分

さて、作るべき資料作成が終われば再び研究のためのフォーカスタイムです。

  

企業研究職としてのパフォーマンスは「どれだけ本業である研究に集中できる時間を創れるか」という一点にかかっていると私は思っています。

  

どれだけ人あたりがよくとも、肝心の研究でパフォーマンスを出せないのならそれは企業研究職としては失格ですね。

 

 

 

 

メール対応:16時45分〜17時15分

さて、いよいよ勤務も終了に向かいます。

 

最後に、午後に届いたメールへのお返事をぽちぽちと書いて終業です。

 

昼休憩の時もお伝えしたように、私は「就業時間以上は絶対に働かない」という断固たる意志とともにサラリーマン生活を送っています。

 

就業時間をずるずる伸ばしても、仕事のクオリティが下がりますし、またワークライフバランスが崩れてメンタルが悪化していきます。

 

やはり決められた時間で成果を出してこそのプロ(お給料もらえる時間以上は絶対に働きたくない)。

 

 

 

 

Global会議:21時〜22時

 

さて、夜になると再びアメリカとのオーバーラップ時間がやってきます。

 

日本の21時過ぎくらいからアメリカ側が稼働し始めますので、ここで会議をもつこともしばしばあります。

週2回くらいですかね。

 

でも、私は極力この時間の会議は避けるようにしていますし、また同じ部署のメンバーもその方針です。

なので、アメリカ側にいるチームメンバーが同じ会議に出れる時には、彼女たちに任せて私は後日メールや1対1の会議で内容を教えてもらうことで対処しています。

 

外資製薬って、こういう「ワークライフバランスを維持して、みんなハッピーに働こうぜ」というカルチャーが至る所に感じられて、ほんと好きなんですよね。

 

 

 

 

終わりに

いかがでしたでしょうか?

 

私の企業研究職としての方針は以下の2点です。

  • とにかく本業である研究時間を増やすための工夫をしまくる
  • ワークライフバランスは断固として維持

  

自分が幸せだからこそ会社にも貢献できる、そんなメンタルで今後も最短時間での最大パフォーマンスを出せるような働き方を続けていきたいと思います。

  

企業研究職の働き方について、他の記事でも解説していますのでぜひ併せてお読みください^^

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