【実体験で語る】アカデミア副業 6つのメリット

こんにちは、すきとほるです。

  

研究者であれば誰もが一度は考えるだろう選択肢、

「アカデミアで生きていくべきかどうか」

  

「アカ抜け」という言葉にはアカデミア生活のえもいわれぬ過酷さが染み付いています。

  

私が言うまでもなく、その過酷さはみなさんご存知だと思いますが、たとえば

  • 薄給(数十年かけて教授になっても1,000万ちょっと、助教なら400万前後)
  • ぺらっぺらの福利厚生
  • 無限に積みかさなる雑務(委員会?! 試験監督?!)
  • 競争率の高いポスト争い
  • 正規が得られればまだ良い、任期つき・非正規で耐え忍べ
  • 業界全体としてのコンプラ意識の低さ

  

など。

  

もはやどこまでメンタルを維持し続けられるかというチキンレースです。

  

  

そうして1人、また1人をアカデミアを離れ、企業へと就職していきます。

  

しかし私は思うのです、「アカデミア or 企業」はほんとうに2択問題なのか、と。

 

アカキャリを諦めず、企業の幸せを得る方法もあるんじゃない?

  

 というわけで、この記事では実際に企業研究職がメイン、アカデミア副業というパラレルキャリアを送る私が、アカデミア副業という新しい(と私は思っている)キャリアについて解説したいと思います。

  

・大企業の給与水準、福利厚生を確保
・特任、研究員ポジションだから正規職員ほど雑務がない
・大企業なら10日間くらいの大型連休が年2回
・転職で環境をクイックに変えられる
・アカデミアの名義を使い、研究費申請・論文執筆ができる
・アカデミアの名義のおかげで社会的信用がちょっとアップ

 

本ブログは、私が業務上知り得たいかなる情報にも基づかず、一般論もしくは広く公開された情報のみに基づき執筆されています

本ブログは、私個人の責任で執筆され、所属する組織の見解を代表する物ではありません

  

  

  

  

アカデミア副業とは?

  

アカデミア副業とは「大企業をメインの仕事にし、空き時間でアカデミアの仕事をする」という就労形態です(私が勝手に呼んでいます)。

  

空き時間でアカデミアの仕事をする場合のポジションとしては、

  • 特任教員
  • 特任研究員
  • プロジェクトレベルのパートタイム雇用

  

などがあるでしょう。

 

3番目はプロジェクトが終わると職がなくなる可能性もありますし、そこまでまとまったお金は得られないので、目指すなら特任教員・研究員がおすすめです。

  

  

実際に私の働き方を通してアカデミア副業をご説明します。

  

 

私はメインでは外資系製薬企業の疫学専門家として働きつつ、副業で国内の大学にて研究員として働いています。

  

大学の業務内容としては

  • 研究室のデータ解析
  • 研究室の研究デザイン・解析コンサル
  • 研究室の学生の指導
  • 所属する研究科の授業
  • その他教授からの依頼

  

など、特定のプロジェクトに限定されずに教授の依頼ベースで自由に動いている感じです。

  

  

就労時間はプロジェクトの状況によって様々ですが、平均すると毎週8時間くらいです。

私が務める外資製薬はフレックス制なので、平日の日中に大学の仕事が入ることもたまにありますが、基本的には大学の仕事は平日17時以降、または土日にやっています。

 

特任にもフルタイムと時間給制がありますが、フルタイムの場合は副業にはできませんので、私が推奨するアカデミア副業の対象は時間給制の特任です。

  

  

ちなみに給与について先に言っておきますと、

アカデミア副業は収入を上げたいという目的で携わるべき仕事ではありません。

  

もちろん仕事ですから多少は収入は増えますが、腕のある研究職の方が企業で稼ぐ給料と相対的に見れば、決して割の良い仕事ではありません。

年齢にもよりますが、時給換算すると多くの大学で2,000円前後になるのではないでしょうか。

  

  

  

  

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アカデミア副業のメリット

ここからはアカデミア副業のメリットを紹介していきます。

 

メインで大企業に所属することで得られる恩恵にいくつか言及しますが、それらの恩恵は「アカデミアと比べれば良心のある大企業では」という前提のもと記載されています。

 

決して全ての大企業に該当する恩恵ではありませんので、ご自身がアプライされる際には慎重に一社一社をアセスメントすることをお勧めします。

  

 

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大企業の福利厚生&給与水準を確保

   

アカデミアと比べると大企業の福祉厚生・給与は桁違いに良いです。

  

私の観測範囲だけでも、アカデミアで働いている人で「この人がうちの会社に来たら年収2,000万は余裕だろうな」と思うような先生方は沢山いらっしゃいます。

  

また瞬間風速で入社時点の給与が良いわけではなく、その人の業績をしっかりと給与に反映させてくれるので、きちんと会社に貢献している人であれば半年・一年おきに給与はあがっていきます*。

 *どの程度反映されるかは会社次第ですが、納得いかなければ転職すれば良いだけです 

  

ボーナスも成果報酬制度を組み込んでいる会社はあるので、きちんと頑張りが反映される仕組みになっています。

  

外資であれば年齢関係なく優秀な人間は1~2年でも上にあげますし、社員に対して「頑張りが報われた」と感じさせるような仕組みが用意されています。

  

企業側も「適切な評価を与えなければ、すぐに転職されてしまう」という危機感を持っていますので(マジで数ヶ月でも辞めます)、企業-社員で良い緊張関係が築かれていますよね。

  

  

ただ一方で、会社に貢献できなければ在籍期間が伸びても給与はなかなか上がらない・昇進できないというデメリットもあるので、それをどう捉えるかですね。

大企業で良い収入を得るためには、当然ながら期待以上のバリューを発揮する必要があります。

  

  

  

福利厚生についても、たとえばGoogleの社員食堂が無料なように、大企業のそれは目を見張るものがあります。

企業ごとに多種多様な福利厚生を敷いていますので一概には言えませんが、よくあるのは

  • 通常の有給+会社独自の有給
  • 提携のホテル・施設をちょっと安く使える
  • フレックスタイム・リモートワーク
  • なんかことあるごとに物とかお金くれる
  • 扶養してる家族も無料の人間ドック

  

あたりですかね。

   

働いている社員本人だけではなく、扶養家族までしっかりとサポートしてくれるので、「守られている」という大きな安心感があります。

    

 

アカデミアを副業にして大企業をメインにしておけば、こうした高水準の給与&充実した福利厚生をゲットできますので、家族を支える安定した生活基盤を確保することができますね。

  

  

  

  

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優れたワークライフバランス

  

(一部の)大企業は社員のために良好なワークライフバランスを維持しようと努めています。

 

あえて強調しますが、全ての大企業がそうではありません。

金融やコンサルなどはアカデミア以上に過酷な環境だと思いますので、ご注意ください。

 

 

良いワークライフバランスに繋がる特徴としては(これも良い企業を選べば、の話です)、

  • フレックスタイム
  • 土日は完全オフ
  • 10日近くまとめての大型休暇
  • 充実した産休・育休

 

などですね。

 

私が働いている外資製薬でも、お子さんのいる社員の方は子供の迎えの時間で抜けて、その分をズラして働くといったように柔軟に働かれており、素敵だなと感じています。

 

 

 

 

ポジション探しに怯える必要なし

 

アカデミアの恐ろしいところ、「上が退職するまでポジションが空かないし、いつ空くかもわからない」というところですね。

 

その間、数世代分の研究員たちがどん詰まり、今か今かと次の空き枠を待ちかまえています。

お目当ての地域でポジションを見つけられればラッキー、そうでなければ引っ越しですが、家族がいると簡単にできる意思決定ではありませんよね。

 

正規が無理なら任期付き・非常勤ですが、これもまた「任期が切れたらどうしよう」とネクストキャリアに悩まされる日々が続きます。

  

理研でも10年雇用契約の満了に伴い、まもなく400人近い研究者がリストラになるということが世界的にも問題視されていました。

Natureでも「I feel disposable」という衝撃的なタイトルの記事が掲載されています。

  

 

大企業にメインの職を持っていれば、たとえアカデミア副業の職を失ったとしても経済的なダメージはほぼありませんので、怯える必要もありません。

 

またアカデミアで昇進することが目的ではないので、ポジション争いに参入することもなく、平和な研究生活を送ることができます。

 

 

 

 

大学での雑務が減り、研究に集中できる

 

大学の教員は雑務に忙殺されています。

 

無限に存在するかと思われる委員会、入試問題作成に試験監督、研究室運営、予算の獲得と管理、授業(教育を雑務と取るかどうかは人それぞれですが)。

日中は雑務に時間がうばわれ、本当にやりたい研究に集中できるのは平日の夜遅くか土日だけという方も少なくはないでしょう。

 

 

アカデミアを副業にして、あえてみんなが欲しがる正規ポジではなく特任ポジを取ることで、これらの雑務を減らすことができます。

 

雑務が完全にゼロになるわけではありませんが、アカデミア副業は時間給制ですので、雑務にも給与が発生すると思えばまぁそこまで悪い気にもならないでしょう。

 

 

 

 

アカデミア名義で研究費申請・論文投稿ができる

 

アカデミアを離れて企業オンリーになった際の最大のデメリットは「やりたい研究がやりにくくなる」ということです。

 

しかし、アカデミアにポジションを持っていればアカデミアのアフィリエイトを使って研究費の申請や論文執筆を行うことができます。

個人的にはこれがアカデミア副業の最大のメリットですね。

 

私も先日科研費の申請を行い、ありがたいことに採択頂きました。

また、仲の良い友人と研究の話をしている中で、「じゃあ一緒にやろうか」と気軽に共同研究を始めることもできます。

 

「この手法学びたい」、「このデータを使ってみたい」と思っても、企業では自分の思いつきを研究にするためにそれはまぁ長いながい承認プロセスを踏まねばなりませんが、アカデミアなら教授のOKさえもらえれば万事完了。

 

 

大企業の研究者になると、どうしても自分1人で全ての研究プロセスに触れることができず、ベンダーさんに一部を引き取ってもらうことも多くなるので、やはりアカデミアほど大きな権限は持てません。

 

そこで私は副業アカデミアのアフィリエイトを活用して、そちらで自分主導で好きなようにリードできる研究をやるようにしています。

 

 

 

 

アカデミア名義で社会的信用アップ

 

企業に入ることのデメリットの一つが、その企業の色がついてしまうことです。

たとえば私は製薬企業に勤めていますが、医学系の研究科の教員や医療者の中には製薬企業に対して良いイメージを持っていない方もいます。

 

そんな時に、アカデミアのポジションを前に出してコミュニケーションすることで、そこそこフェアな印象を持って頂き、研究の話がしやすくなるように感じています*。

※これはもちろん製薬企業社員としての立場を隠すという意味ではなく、伝えるべき状況では製薬側の所属も必ず伝えています

 

 

あとは親族に話すときなんかも、こずるいですが「大学の先生やってる」って言った方がウケがいいこともあります笑。

  

  

  

  

終わりに

いかがでしたでしょうか?

 

「アカデミアに魅かれるけれど、過酷さに耐えられない」と感じる方に向けて、アカデミア副業という第3のキャリアを提案させて頂きました。

  

企業の魅力とアカデミアの魅力を総取りして、より充実した研究者生活を目指すという選択肢もありはしないでしょうか?

  

  

なお、研究者の方が企業就活を勝ち抜くためのコツはこちらの記事に記載しています。

ぜひ併せてお読みください^^

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